私の単身赴任生活は、前職時代から数えると、現在の苫小牧市を含め通算21年を超える。
暮らした主な街は、群馬県の前橋市、福島市、横浜市、東京都内、山口県下関市、金沢市などであり、どこも思い出に残る忘れられない地である。
ただ、札幌市にマイホームを持ったのが26年前なので、単身赴任生活21年間を差し引くと、何とマイホームには5年しか住んでおらず、私にとっては、今でも新居当時の残像が目に焼き付いている。
もっとも、ずっと住んでいる家内に言わせると、「壁や床の汚れが目立つ」「レイアウトが古く使いにくい」など、すっかり年季が入っているらしく、その都度「マイホームって何だろう」と少し寂しい気持ちになっていた。
そんなある日、お互いのストレス解消には、もはや引っ越すかリフォームをするしか方法がないと考え、2人だけの家族会議を連日にわたって行った。
その結果、最終的にはリフォームがよいということになり、数カ月後には快適な暮らしが戻り、家内もご機嫌だったのだが…。
最近、「玄関扉の締まりが良くない」「窓枠がゆがんでいる」という声が漏れ聞こえてくるようになった。
経年劣化は避けようがないとは思うのだが、マイホームを巡る家族会議がまた始まるのかと、ため息をつくきょうこの頃である。
(苫小牧信用金庫常勤理事)