第43回全国中学校アイスホッケー大会が27日、栃木県日光市で開幕し29日までに日光霧降アイスアリーナなどでトーナメント1、2回戦、準決勝が行われた。全十勝C(帯広第四・第五・西陵・浦幌・音更・下音更・豊頃・幕別・札内・札内東)と釧路景雲が決勝進出。東胆振B(苫小牧明野・啓明・明倫・和光)は1回戦で東京都選抜にゲームウイニングショット(GWS)の末7―6で競り負けた。
大会には全国各地区の予選会を勝ち抜くなどした16チームが出場した。
▽準決勝
全十勝C4―2八戸第二
釧路景雲11―1東京都選抜
▽2回戦
全十勝C8―2埼玉県選抜
八戸第二3―2日 光
東京都選抜7―3岩手県選抜
釧路景雲11―4日光東
▽1回戦
東京都選抜7―6東胆振B
▽得点者【東】中村(酒本)千歳(中村)千歳(村田)酒本(奥村、ヴァレンゲン)中村(千歳、李)中村(千歳)酒本【B】佐々木敦、大矢(小野寺)花田(仁井元、伊部)横山(金澤)金澤(横山)花田(小野寺、伊部)▽GK【東】嶋田【B】神山
全十勝C9―4八戸合同
埼玉県選抜4―3中南信合同(長野)
日 光22―0郡山熱海
八戸第二12―0山梨県選抜
岩手県選抜7―4東北信合同(長野)
釧路景雲7―2神奈川県選抜
日 光 東1―0宮城県選抜
―悔しさ糧に”来年こそ”
苫小牧地区唯一の出場となった東胆振Bが初戦で姿を消した。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となり、3年生にとっては最初で最後の全中舞台。先制ゴールを決めるなど奮闘した佐々木敦副主将(明倫3年)は「全員頑張ったけど、それでも勝つことができなかった」と涙ながらに語った。
決してあなどっていたわけではない。東京都選抜は前回2020年大会で準優勝するなど、近年大きく力をつけていた。今回も個人スキルに長けた2、3年生が多く名を連ねた。
第1ピリオド10分すぎまでに2点を先行したが「入りの動きが悪かった。もう1、2点取れるチャンスはあった」と山田コーチ。序盤に引き離せず点の取り合いに持ち込まれたのは誤算だった。
「大事なところで攻め切れない自分たちの弱さが出た」と伊部主将(3年)。GKを除いた3人対3人の延長戦でシュート数7―0と一方的に攻めても、ゴールを割ることはできなかった。
初戦を切り抜ければ上位進出もあっただけに悔しさもあるが「初めての全中は楽しかった。何でも任せられる後輩たちばかりで、まとめやすかった」と伊部主将は言う。山田コーチは「勝ちよりも、きょうに至るまでの過程が一番大切。みんながつらい練習に耐えて頑張ってくれた」とねぎらった。
佐々木敦副主将は後輩たちに向け、「悔しさをプラスに変えて来年こそ全国優勝のトロフィーを取ってほしい」とエールを送った。
―2年生FW、大舞台で躍動
東胆振Bの花田(和光)、金澤(明倫)の2年生FWが全国舞台で躍動した。
最多の2得点と大器の片りんを見せたのは花田。第2ピリオド序盤に一時2点差をつけるゴールを決めると、第3ピリオド13分すぎには「緊張したけど、ここまで来たからにはやるしかない」と起死回生の同点ゴールを決め延長戦以降の接戦に持ち込んだ。
兄は駒大苫小牧高の副主将を務め昨年の全国高校総体優勝に貢献した匠(明大1年)。「兄に比べて自分はまだ遅い」という走力強化を課題に挙げ、「チームを引っ張る存在になりたい」。
金澤は名前の「元気」を体現するように、ひときわがむしゃらにパックを追い掛け仲間を鼓舞した。
「いつもは助けてもらってばかり。きょうこそは自分ができることをやって活躍しよう」と2ピリ中盤にFW横山(3年)のゴールをアシスト。1点を追う3ピリ6分すぎには鋭いミドルシュートで得点も決めてみせた。
「日本一は取れなかったけど、練習量はどのチームにも負けないくらいやった」と涙を拭い前を向く。長所の走力を生かすために「パス精度やハンドリング力をもっと高めたい」と成長を誓った。