厚生労働省は20日、警察庁の統計に基づく2022年の自殺者数(速報値)が2万1584人だったと発表した。前年確定値より577人(2・7%)多く、20年以来2年ぶりに増加した。男性が全体の7割近い1万4543人で前年を604人上回った一方、女性は27人減の7041人だった。
人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は、0・5人増の17・2人。厚労省の担当者は「確定値を踏まえ原因や動機などを分析したい」と話している。
22年1~11月に自殺した人の年代別では、50代が最多の3748人(前年同期比413人増)。学生らは927人(同44人減)で、うち小中高生は441人(同3人減)だった。
動機別で最も多かったのは健康問題の1万1125人(同2014人増)で、家庭問題の4214人(同1273人増)が続いた。
地域別の自殺率は25都府県で増加。高かったのは山梨(24・3人)、秋田(23・7人)、宮崎(22・7人)で、低かったのは徳島(12・5人)、神奈川(13・9人)、長崎(14・3人)となった。 自殺者数の確定値や年齢構成、職業や動機など詳細な内訳は、3月に公表される見通し。