国際アイスホッケー連盟(IIHF)ラインズマンのライセンスを持つ苫小牧アイスホッケー連盟の女性審判、奥田久美子さん(28)が女子U18世界選手権ディビジョン2グループA(21~27日、イギリス・ダンフリーズ)でのジャッジを担当する。「来シーズンにつながるIIHFからの評価を得られるよう、スケーティングなどを生かしてスムーズなジャッジを心掛けたい」と意気込みを語っている。
日本アイスホッケー連盟の推薦で2020年1月にIIHFラインズマンのライセンスを取得。国際試合のうち、女子の試合で審判団として活躍の場を広げるはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて20年のフィリピン、21年のスイス開催の国際大会などが軒並み中止。再びIIHFの声が掛かり、今回初の海外舞台でジャッジを担う。
奥田さんは大阪府出身。小学1年時に苫小牧に移り住んで間もなくアイスホッケーを始め、市内女子チームなどでプレー。高校では北海道栄男子アイスホッケー部のマネジャーを務めるなど競技に力を注いだ。22歳で現役を引退し、先輩からの誘いを受けて審判の道に進むことを決断。ルールに関する猛勉強に明け暮れた。先輩レフェリーなどの背中を夢中で追い掛けた日々を振り返り「最初は分からないことばかりで苦労した。熱を入れて勉強し結果を出せて良かった」と語る。
審判を務めて5年。レフェリーの人口減少の現状も踏まえて「これまで教えてくれた先輩方に恩返しをしたい。自分が活躍の場を広げて結果を出すことで少しでも後輩たちに良い姿を見せてあげたい。日本のレフェリー人口も少しずつ増やしていけたら」と思いは熱い。
審判としての技量を磨く中で、審判の評価項目のうち、選手のプレーに対する姿勢とスケーティングの2項目で高い評価を受けた経験がある。「自分の一笛が試合の展開を大きく左右する。責任感を常に持って選手との信頼関係を大切にし、良い判断で審判としての仕事を全うしたい。いつか五輪の舞台でも笛を吹けるよう、経験をたくさん積んで上を目指したい」と活躍を誓った。