統率取れたカラスの群れ

  • 教えてムラさん, 特集
  • 2023年1月14日
ハシブトガラス

  Q…塾に子どもを迎えに行った時、市街地の電線にカラスがたくさん止まっているのを見つけました。毎年見掛ける光景ですが、何をしているのでしょう?

   A…ハシボソガラスもハシブトガラスも繁殖期が終わると群れで行動するようになり、夜は集団でねぐら入りします。

   ねぐらの場所やねぐら入り前の集合場所は地域により毎日ほぼ同じで、苫小牧市内では双葉三条通の十字路などによく集まります。この場所に集まるカラスたちのねぐらは、緑ケ丘公園の奥にある林で、日が暮れ始めると三々五々に飛び立ち、ねぐらへと向かう様子が見られます。

   秋から冬にかけてねぐら入りする前に群れをつくるのは、食べ物やつがいを探しやすくなり、外敵も見つけやすくなるなどの利点があるからと考えられています。

   ねぐらに真っすぐ向かわず、電線や建物の上などに一度集まるのは、ねぐらの場所を外敵に悟られないためと、眠る前に食べ物のある場所などの情報交換をしているためだと考える研究者もいます。

   カラスの群れを例えて「烏合(うごう)の衆」と呼ぶことがありますが、観察していれば、統率の取れた優れた集団であることに気付きます。

  (文とイラスト 自然誌研究家〈ゆうふつ原野自然情報センター主宰〉村井雅之)

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