安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、奈良地検は勾留期限となる13日、殺人罪で無職山上徹也容疑者（42）を起訴する。地検は約半年間の鑑定留置で同容疑者の精神鑑定などを実施し、刑事責任を問えると判断したもようだ。

　鑑定留置を終えた山上容疑者の身柄は10日、大阪拘置所から奈良県警奈良西署に移された。県警によると、11日午前から本格的に取り調べが再開され、山上容疑者はこれまで通り容疑を認めているという。

　県警は山上容疑者が安倍氏を銃撃した際、弾丸が装塡（そうてん）された手製銃を所持し2回発射したとして、6日に銃刀法違反容疑で追送検した。地検は13日、殺人罪と併せて起訴するとみられる。

　山上容疑者は昨年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、参院選の応援演説をしていた安倍氏を背後から銃撃し、現行犯逮捕された。同容疑者は県警の調べに対し、「世界平和統一家庭連合（旧統一教会）に恨みがあり、安倍氏が（旧統一教会と）つながりがあると思った」などと供述していた。