(8)脱炭素 中小企業は変化に苦悩

  • 特集, 記者ノートから2022
  • 2022年12月23日

 「うちらは息でも止めればいいのかな」―。とある中小企業の関係者がこぼした言葉が心に残った。カーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出ゼロ)関連の取材で、想定とは真逆の意見に虚を突かれたこともあるが、端的に本質を捉えていると感じた。

 CN最大の目的は地球温暖化対策。国は2050年の脱炭素社会実現を掲げ、企業は地球環境に優しい取り組みを加速する必要がある。ひと頃前は後ろ向きなイメージも強かったCNだが、新しい事業や産業を生み出そうと、積極的な話も目立つようになった。

 特に苫小牧市ではこれまで、二酸化炭素(CO2)を回収して地中にためるCCSなど、国の最先端事業が展開されてきた。大量の化石燃料を使っていたエネルギー供給拠点、電動化が著しい自動車の部品製造など、大手企業もこぞって技術革新と向き合う。

 そんな意欲的な取り組みに触れる事例発表を取材後、参加者の声を拾おうとして冒頭の言葉だった。口調は自虐的な冗談交じりだったが、多くの企業が変化を余儀なくされようとする中、生き残るための戦略を自前で描けずにいる中小は苦悩している。

 社会的責任ある大手企業ほどCNに熱心で、原材料の調達などすべてに掛かるCO2「サプライチェーン排出量」を削減する動きもある。CO2削減に取り組まないだけで、取引の相手にされない中小や零細が出てきても、不思議ではない時代が迫っている。

 新しい技術への対応や変化は、膨大な費用や時間が必要となるため、ソフトランディングの視点は不可欠だ。地元企業が培った知識や経験、そして技術が生かせるように、今後も最新の動きを追いながら、地元に寄り添った報道を心掛けたい。    (金子勝俊)

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