新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合が21日開かれ、流行の「第7波」だった今年7~8月の歳以上の致死率が1・69%で、昨年7~10月の7・92%から4分の1以下に低下したとする同省のデータが示された。重症化率も大幅に減少した。季節性インフルエンザの80歳以上の致死率は1・73%だった。
座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は会合後の記者会見で、「ワクチンの追加接種、治療薬などの複合的な要因がある」との考えを示した。
厚労省は石川県、茨城県、広島県のデータを使用。重症化率と致死率を年代や期間ごとに示した。
その結果、昨年7~10月の致死率が60~70代で1・34%、80歳以上が7・92%だった一方、今年7~8月だとそれぞれ0・18%、1・69%だった。重症化率は昨年7~10月で60~70代が3・88%、80歳以上が10・21%だったが、同じようにそれぞれ0・26%、1・86%に低下した。
季節性インフルエンザの致死率は60~70代で0・19%、80歳以上で1・73%。重症化率はそれぞれ0・73%、2・17%だった。
一方で、新型コロナには心疾患などの合併症や後遺症のリスクがあり、統計から死者数がどれだけ多いかをみる「超過死亡」を考慮する必要があると指摘。「(インフルと)直接比較する場合は留意が必要だ」とした。
専門家組織では、新型コロナの感染症法上の位置付け見直しについて議論が進められている。