(7)市民文化ホール 建設に向け準備進む

  • 特集, 記者ノートから2022
  • 2022年12月21日

  苫小牧市がPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式で、2026年3月に開設を目指す苫小牧市民ホール(仮称)。今年はその建設に向けた準備が進んだ1年だった。名称を苫小牧市民文化ホールとし、設計や建設、運営を担う特別目的会社「氷都とまこまいパートナーズ」と6月に事業契約を締結した。

   市民文化ホールは市民会館と市文化会館、市交通安全センター、市労働福祉センターを統合した施設で、まちのにぎわいや市民文化の向上を図る。

   同社や市が作成した資料によると、建設場所は旧苫小牧東小学校跡地で、敷地面積4万4552平方メートル、延べ床面積1万2603平方メートル。建物は鉄筋コンクリート造り一部4階建てで、1階に約1200席のホールAと約400席のホールBを整備する。

   2階に美術室やダンス練習室、音楽スタジオ、和室などを設け、市民の文化活動に利用してもらう。3階には屋上デッキを整備する。また、敷地の中央部分に広い緑地空間を造り、憩いの場として開放する。

   同ホールの基本設計は、22年度に完了し、23年度から実施設計を進める。同年1月に氷都とまこまいパートナーズがホームページを立ち上げ、同年3月ごろ、旧東小跡地で工事用車両の駐車場や建設資材置き場とする準備工事を実施する予定だ。

   市民の関心が高い使用料については条例で上限額を定めているが、統合する各施設の現行使用料に比べて高いとの指摘もある。新しい文化芸術拠点として、可能ならもっと利用しやすい料金体系を望む。

   誰もが文化芸術に出合い、親しみ、関わることのできる市民文化ホール。利用者が満足のいく施設となるか、関心を持って整備運営事業の推移を見守りたい。   (室谷実)

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