(4)1人支局 町民の思いを記録する

  • この1年 2022, 特集
  • 2022年12月15日

 4月から白老町民となり、リモートワークさながらの生活に入って8カ月ほどが過ぎようとしている。新天地の白老は苫小牧の隣町でありながら、なかなか足を運ぶ機会がなかった。何のつてもないところから支局暮らしがスタートしたので、着任してからは、どんな小さなことも書こう―と、ひそかな目標を立てて取材を進めてきた。

 どこでどんな人と会うか分からないし、思いも寄らないつながりが生まれるかもしれない。多くの人と知り合い、自分が何者であるかを伝えつつ、信頼関係を築いていこう―と考えた。

 町の建設課を訪ねて500円の白老町全図を買い、町域の名前や地形を把握することもした。夏のうちに休みができたら車を走らせて、現地を見に行ったりもした。お年寄りの知り合いができればできるだけ通って、昔話に耳を傾けた。昔話は、当事者が若かった頃の生き生きとした思い出であり、地域の記憶のようなものが眠っている。温度のある歴史を知ることにもなり、思い出を追体験するようで楽しいのだ。

 仲良くなった人からは情報提供もあった。シカの出没情報を動画付きで教えてくれた人。トンボの研究者の自宅にオニヤンマが飛来した際には偶然が重なって写真付きの記事にできた。地方新聞の使命の一つは、土地の記憶を記録することにある。たとえささいな出来事だとしても、できるだけ生身の町民の思いが記録されなくてはいけないと思う。大げさに言えば新聞の紙齢は、町民の思いの系譜、その積み重なりであるとさえ思う。

 ここに系譜の記録者である記者の存在意義もまたある。人口の少ないまちは語り手の少なさゆえに、歴史はたやすく散逸する。語り手になってくれる町民を見つけては説得し、昔話に耳を傾けるきょうこの頃だ。

 (半澤孝平)

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