ハッチと窓ガラスから浸水か 隔壁水密化なら防げた可能性―知床観光船事故・運輸安全委

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  • 2022年12月15日
 カズワン船首甲板部のハッチ。事故2日前の救命訓練時に撮影されたもの(運輸安全委員会提供)

 知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、運輸安全委員会は15日、船前方のハッチと窓から浸水し、沈没した可能性が高いとする調査経過報告書を公表した。

 運輸安全委は今後、船体の構造上の問題点や出航判断の是非、監査・検査の実効性などについても調査し、事故にどうつながったか分析を進める。

 報告書によると、海底から引き揚げたカズワンの船首甲板にあるハッチのふたが無くなっていた。船底にあった複数の損傷など、他に浸水の可能性がある場所も調べたが影響は限定的で、ハッチからの可能性が最も高いと判断した。

 ハッチのふたと開口部をつなぐヒンジには、衝撃による破壊痕があったほか、ふたを固定するクリップ止め4カ所のうち2カ所が摩耗していた。また、死亡した豊田徳幸船長=事故当時(54)=が事故2日前に行われた救命訓練でハッチを閉めた際、船首側のクリップ2カ所が確実に固定できていないように見えたとの証言もあった。ただ、単純な閉め忘れの可能性も否定はできないという。

 何らかの理由でハッチが閉鎖されていない状態で出航し、揺れでハッチが開き、高い波が船首甲板に打ち付けたことで浸水したと考えられるという。ハッチから入った海水は、甲板下の隔壁の穴を通じてエンジンがある機関室に広がり、電子制御系の部品がショートした結果、エンジンが停止した。隔壁が水密構造になっていれば沈没は防ぐことができたという。

 甲板下の浸水により船が船首方向に傾き、ハッチ開口部が海面より下になる頃には、舵機室も浸水。さらに、波の衝撃で外れたふたが客室のガラス窓を破り、窓から客室内に大量に海水が入り込んだことで沈没したと推定した。

 事故時の波浪状況の分析結果では、カズワンが知床岬で折り返して復路に入る頃には波高が1メートルを超え、船体が海底で発見された「カシュニの滝」付近では2メートルに達していた。知床岬付近には避難港があり、会社側の運航基準では波高1メートル以上の場合は臨時寄港しなければならないと定めていた。

 調査結果を踏まえ、運輸安全委は国土交通相に、小型旅客船の船首甲板開口部の点検と、避難港活用を事業者に周知、指導するよう意見した。カズワンと同じ区域を運航する小型旅客船については、隔壁の水密化を検討するよう提言した。

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