師走の記事

  • ニュース, 夕刊時評, 新型コロナ
  • 2022年12月6日

  1日1回自転している地球が太陽の周囲を巡る公転軌道の1周をそろそろ終える頃が近づく。あと25回転余りの自転で今年が一区切り。世界にさまざまな出来事が起きた一年が過ぎようとしている。

   苫小牧の錦岡小で1976年に撮影された写真付き記事の掲載日付は12月2日だった。この出来事を取り上げた本紙の記者は次のようにつづる。〈よどみなく吹いてくる浜風と樽前おろしの巻き風が、早く地面を凍らせる―。同校では、気候の特長を生かして降雪を待たずに散水する独自の造成法を取り入れている〉。今年3月、本紙が連載した企画「よみがえる氷都の光景―学校リンクの昔」の中の一節だ。若い同僚が昔の苫小牧民報をたどって、昭和51年の記事と写真を探し当てて再掲した。

   写真の説明は〈アイスホッケー部の部員たちが水まきの手伝い中〉。噴水するホースを携える児童の一人は偶然にも小職で驚いた。仲間たちの面影が懐かしく、過去の自分とあいさつを交わせた気分がした。当時、練習で存分に使い、授業でも活用されたスケートリンクは各校グラウンドの冬の象徴的な造作物。私的にはこの一年で最も親近感を抱いて読んだ記事だった。

   12月も第2週に入って、そろそろ国内外で今年起きた重大な事柄や地域の一年を振り返る企画が紙面に載り始める時期となった。読者の皆さまの心に残る記事や写真が配達した新聞にどれだけあったろうか―。自問の年末業務が続いていく。(谷)

過去30日間の紙面が閲覧可能です。