苫小牧市高砂町のしめ縄製造卸業の中山商事(中山稔代表)は、しめ縄や正月飾りの製作に追われている。新年を迎える準備の一つで、材料のスゲから次々としめ縄を仕上げる職人の技が光る。作業は年末まで続くという。
同社のしめ縄はむかわ町の農家から取り寄せた稲わらで作る芯に、青森県産の乾燥スゲを巻き付けて完成させる。
この道約50年の中山代表は数人のパート従業員と1月中旬から下準備。春先以降、宝船やおかめ、小判といった縁起物をあしらった飾り製作を進めながら10月に入り、しめ縄作りを本格化させた。
25日はスゲの束を伸ばしたり、ねじったりして編み込み、数分で75センチほどの「ごぼう締め」を仕上げていた。
神社の鳥居用に、長さ10メートルを超える大しめ縄も手掛けた。出荷前の商品は変色を避けるため、暗室に保管。「みんなが幸せに」との願いを込め、作業に打ち込んでいる。
個人や企業への直接販売も行っているが、材料費などの高騰で1割程度の値上げに踏み切ったという。