29日午後4時20分ごろ、東京都八王子市南大沢の東京都立大南大沢キャンパスで、職員が男に刃物で切り付けられたと110番があった。警視庁によると、被害に遭ったのは同大教授で社会学者の宮台真司さん(63)。首と背中を複数箇所切られるなどして重傷だが、命に別条はないとみられる。同庁捜査1課は殺人未遂事件とみて、逃げた男の行方を追っている。
同課などによると、男はキャンパス敷地内で宮台さんの頭を後ろから殴った上、刃物のようなもので首付近などを切り付け、徒歩で逃走した。
男は20~30代とみられ、身長180センチ前後で、黒っぽいジャンパーと黒いズボン姿。
宮台さんは専門の社会学だけでなく、政治や文化、サブカルチャーなど幅広い分野を扱う。自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題などについてもメディアで積極的に発信している。
同大ホームページによると、宮台さんは同日午後4時10分までの講義を受け持っている。同大は「警察の捜査に協力し、事実確認をしている」とコメントを出した。
キャンパス前には同日夜、報道陣が詰め掛け、物々しい雰囲気に包まれた。敷地内は立ち入りが制限され、職員らが足早に歩く姿もあった。
同キャンパスは京王相模原線南大沢駅の北約300メートルに位置する。都立大によると、法学部や理学部などが置かれ、学生寮や体育館の施設も備える。