【ロサンゼルスAFP時事】米当局は28日、ハワイ州ハワイ島のマウナロア火山が27日深夜(日本時間28日夜)噴火したと発表した。28日朝も救助隊は警戒態勢を続けた。標高4168メートルのマウナロア火山は世界最大の活火山とされ、噴火は1984年以来。
米地質調査所(USGS)は噴火の約15分後に、溶岩は山頂付近にとどまっているものの、状況が変わった場合は近隣住民の脅威となる可能性もあると警告。「現状では居住地域に影響はない」と説明したが、事態急変に備えるよう呼び掛けた。
USGSは「溶岩の噴出が続き(山頂にある過去の噴火でできた)カルデラからあふれている」とも指摘した。ゆっくりした流出に見えても「もし爆発的な噴出が起きて『壁』を乗り越えたなら、一気に速度を上げて下に流れ込んでくる」と危険性を訴えている。火山学者ロビン・アンドルーズ氏も「この危険な火山の記録上、今回は最も長く噴火していなかった。目を離すべきではない」とツイッターに投稿した。
ハワイ当局によると、避難指示は出ていないが、一帯の道路は幾つも封鎖され、警戒のため二つの避難所が開設された。火山南東の海上の船へ灰が薄く降り積もることが予想され、風下に対しては降灰注意報が出された。
ハワイ島の半分を占めるマウナロア火山は1843年以降33回噴火しており、前回の噴火は22日間続いた。USGSによると、過去何年も噴火の兆候を見せていた。
USGSが監視対象としている活火山はハワイに六つある。マウナロアの南東に位置するキラウエア火山は1983年から2019年まで繰り返し噴火してきた。今も小さな噴火が続いている。