新型コロナウイルス感染症病床24床を確保している苫小牧市立病院は、直近1週間(13~19日)の病床使用率が73%だった。1日当たりの平均入院患者数は18人程度で、岩倉博文市長は「非常に厳しい状況」と説明。21日から一般病棟の休止を1増の三つとし、コロナ対応のマンパワー確保を優先する。
21日の市長定例記者会見で公表した。
同院はこれまで2病棟を休止してコロナ病床24床を確保していた。「第8波」でコロナ感染症の入院患者の多くは80、90代の高齢者といい、佐々木薫事務部長は「通常診療はコロナ前と比べて5~6割に絞る」と説明。コロナ病床の維持、2次救急の受け入れ、周産期医療は継続するが、「通常に近い形で一般診療を続けることは難しい。苦渋の決断」と理解を求めた。
さらに8日から院内感染の拡大により、当該病棟の新規入院を停止するなど厳しい対応が続いており、「家庭内も含めてスタッフの感染が増え、フルのマンパワーを発揮できない」とも。同院は過去にも3病棟を閉じた経験があるため、「過去最大と並ぶ形で診療制限する」と新規外来の受け入れも止め、マンパワーをコロナ対応などに集中させて乗り切る構えだ。
岩倉市長は「圏域の感染状況を注視しながら、社会経済の維持と医療提供体制確保の両立を図る」と強調した上、医療体制のかつてない逼迫(ひっぱく)を受け、「市民は基本的な感染対策を再度徹底し、普段と異なる症状がある場合、外出や出勤、登園、登校を控えて」と呼び掛けた。