「すきなことでせかいをみる」。しかも私のきらいな数学で世界を見るなんて信じられません。いみがわかりません。そう思いながら生活していたら、おかしが多い少ないとか、はが何本ぬけたとか、おこづかいはいくらとか、毎日数字ばかり使っていてびっくり。この女の子はすごい、さすがだと思いました。
私はりょう理が大すきで、休みの日はかぞくに作ります。「おいしい」と言われると心がほわほわになってアイディアがうかびます。
お兄ちゃんはレゴがとくいです。つくえの中にかくしているくらいレゴがすきです。ふたごのお兄ちゃんは、ねることがすきで、おふとんが気持ちいいからまたねたいと言います。私も、その世界に時々おじゃまします。
チアのしほ先生はケーキやさんで、あまいものが苦手な私も、ほっぺがおちるかと思うくらいおいしいクッキーを作ります。お店がお休みの日、クッキーとパンを習いに行きました。こなやさとう、バターや牛にゅうをはかってまぜたりこねたり、またはかってまぜたりした時「はっ」としました。なんと、私のすきなりょう理の中に、きらいだった数学がたく山かくれていたのです。まさか私のすきな世界に、女の子の世界があるなんてニヤっとしました。世界がぐーんと広がりました。
みんなそれぞれのすきなことを、すきなやりかたで世界を見ています。すきじゃない世界にも行ってみると知らないことがいっぱい。おどろきや、ワクワクがまちうけています。この本の中で私は数学がすきになりました。女の子をりょう理の世界にしょうたいしたいな。世界がつながって大きくなったらいいな。
私のりょう理ノートで、花火パンやスイカパンを考えて、パンのコンテストに出しました。私のすきをみんなにつたえて、たく山の人が幸せで、えがおになれるりょう理を作ることが一ばんのゆめです。私のパンやごはんで、みんなの心がポカポカになりますように。
「みんな、私の世界にもおいでよ」。
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第57回夏休み読書感想文コンクール(苫小牧市立中央図書館、苫小牧学校図書館協会主催)の入賞者がこのほど決まった。市内の小中学校28校から応募があった194作品の中から、最優秀賞に選ばれた4作品を紹介する。