就職活動をする学生らの能力や適性を測るため、企業が実施する「ウェブテスト」を本人に成り済まし受験したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は22日までに、私電磁的記録不正作出・同供用容疑で会社員田中信人容疑者(28)=大阪市=を逮捕した。同庁によると、ウェブテストを巡る替え玉受験の摘発は全国初。
受験を依頼したとして、大学4年の女も同容疑で書類送検する。田中容疑者は半年間で約300人の依頼を受けていたといい、同課は不正が横行していたとみて調べる。
関係者によると、ウェブテストは学力検査や性格診断などの科目があり、採用面接に進む学生らの絞り込みや採用後の人事配置の参考などに使われる。多くの場合、就職希望者は企業の採用ページに登録してIDとパスワードを取得し、自宅のパソコンなどからオンラインで受験する。
捜査関係者によると、田中容疑者は「京都大大学院卒、ウェブテ請負経験4年、計4000件以上、通過率95%以上」などとうたい、ツイッターで替え玉受験の希望者を募集していた。
学生らから受け取ったIDやパスワードでログインし、本人に成り済まして受験。1科目2000~3000円で請け負っており、半年間で約400万円を稼いでいたとみられる。
女は二十数社のウェブテスト代行を田中容疑者に依頼していた。パソコンの画面を共有し、同容疑者がワイヤレスイヤホンで解答を伝えることもあったという。 逮捕容疑は4月、依頼をしてきた女に成り済まし、ウェブテストを受験した疑い。