国立科学博物館は21日までに、国内では3種類目となる球状のマリモを甲府市で見つけたと発表した。本栖湖(山梨県)で取れた二枚貝に付着していた藻が成長したと推定され、「モトスマリモ」と命名された。
マリモは、北海道の阿寒湖などに生息する「マリモ」と富山県立山町由来の「タテヤママリモ」が知られる。同博物館によると、甲府市の民家の水槽に6~7年前からマリモのようなものが発生。調べたところ、従来の2種とは遺伝子が異なり、オランダなどで発見された藻と同じことが分かった。
同じ水槽で飼育している小型の淡水魚「タイリクバラタナゴ」の産卵用として、本栖湖産の二枚貝が入っており、確認された藻は貝に付着していたと推定される。
一般的なマリモは波のない水槽では球状にならないが、モトスマリモは直径2~4センチで軽く、わずかな揺れで球状を維持できるとみられる。一方、実際の本栖湖では、球状だと日光の届かない深い場所に落ちてしまうことから、貝に付着した短い糸のような状態で存在しているとされる。
本栖湖などの富士五湖は国立公園に指定されており、植物の無断採取は認められていない。同博物館は今後許可を得て、潜水調査を実施する方針だ。