先日、猛烈に反省することがあった。小学生の娘と一緒にインターネットで動画視聴を楽しんでいた時だ。1人の人物を指さし、娘が言った。「すごく格好いいね」
あれ? この人、見た目は男性のようだけど、女性なのでは―。視聴した瞬間の思考がそのまま言葉になってしまった。「この人、女の人だよ」と。
しまった! と思ったが後の祭り。娘は性別に関係なく、その人物の立ち居振る舞いを見て、そう言っただけだ。それなのに、自分は「もしかして、娘はこの人を男性と誤解しているのでは」と偏見に満ちた考えをし、さらにそれを押し付けてしまったのだ。
慌てて謝罪し、動画の人物を改めてよく見てみると、確かにすてきだ。「私も格好いいと思うよ」。そう伝えると、娘はうれしそうにほほ笑んだ。
性の多様性について取材し、それを伝える立場にある。それでも、無意識の偏見は自分の中に存在していた。それを教えられた出来事だった。(百)