【ワシントン時事】トランプ前米大統領は15日、南部フロリダ州の邸宅「マールアラーゴ」で支持者を前に演説し、「米国を再び偉大にするため、米大統領選に立候補を表明する」と述べ、2024年大統領選への出馬を正式に宣言した。
共和党から次期大統領選に出馬表明したのは、トランプ氏が初めて。中間選挙の1週間後という早い時期の発表は、ライバル候補の機先を制するとともに、数々の疑惑を巡る訴追を抑止する狙いがありそうだ。
トランプ氏は当初、中間選挙で共和党の勝利を当て込み、自身の手柄として大統領選に弾みをつける戦略を描いていた。しかし、支援した候補が振るわず、党内で責任論が噴出。「トランプ離れ」が進んだほか、フロリダ州のデサンティス知事ら次世代の候補者も現れるなど、返り咲きに向けた目算は大きく狂っている。
トランプ氏は中間選挙で「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大に)」のスローガンを掲げ、肝煎り候補者を応援。自らが敗北した20年大統領選を「不正」とする主張を繰り返したほか、治安悪化や不法移民の増加をバイデン政権の失策と糾弾し、メキシコとの国境に再び壁を建設すると訴えてきた。