【パリ時事】若手音楽家の登竜門として知られるフランスのロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールのピアノ部門最終選考が13日、パリで行われ、亀井聖矢さん(20)が韓国のイ・ヒョクさん(22)と共に1位となった。重森光太郎さん(22)も4位に入賞した。
亀井さんは愛知県一宮市出身。同県立明和高校音楽科で2年間学んだ後、17歳で桐朋学園大に同大初の飛び級入学。現在は同大4年に在籍し、著名指揮者やオーケストラと共演を重ねるなど、実力、人気共に同世代の先頭を走っている。
亀井さんは授賞式後、自らの演奏について「楽しかった。幸せだった」と笑顔を浮かべた。「じわじわと実感が湧いてきている。ここに向けてレッスンを頑張ってきて良かった。これからも変わらず成長していきたい」と語った。
重森さんは福井市出身で、桐朋女子高音楽科(男女共学)から桐朋学園大に特待生入学。卒業後はプロの演奏家を養成する同大ソリスト・ディプロマ・コースで学んでいる。
重森さんは「自分の大好きな曲でオーケストラと共演できて本当にうれしかった」と話した。演奏については「朝一番でコンディションが整っていない部分もあったが、満足している」とほっとした様子だった。
ロン・ティボー国際音楽コンクールは1943年、ドイツ占領下のパリで始まった。ピアノ、バイオリン、声楽の部門がある。2019年には三浦謙司さんが優勝、務川慧悟さんが2位を獲得するなど、多くの日本人音楽家が入賞している。