【ワシントン時事】8日投票の米中間選挙は、12日までの開票作業の結果、与党・民主党が上院の多数派を維持した。就任後初の国政選挙で審判を受けたバイデン大統領は、上院を制したことで一定の成果を得た。一方、下院は野党・共和党がリードしており、過半数に迫っている。
事前の世論調査では、下院は共和党優勢、上院は接戦が見込まれていた。しかし、民主党が予想外の健闘を見せ、バイデン氏は再選を目指す2024年大統領選に向けて求心力を保った。一方、支援した共和党候補が苦戦を強いられたトランプ前大統領にとっては、再選戦略に狂いが生じた。
バイデン氏は訪問先のカンボジアで記者団の取材に応じ、「良い気分だ。今後数年間を楽しみにしている」と述べた。 上院は定数100のうち、35議席が改選された。民主党は大接戦となっていたネバダ州で新たに勝利を確実にし、非改選を含めて改選前と同じ50議席を確保した。共和党は49議席となっている。
上院では賛否が同数となった場合、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を投じる。このため、民主党の多数派維持が決まった。残るのはジョージア州の1議席だが、いずれの候補も過半数に届かず、12月6日の決選投票に勝敗が持ち越された。
選挙では急激なインフレや妊娠中絶の是非などが争点となった。CNNテレビによると、全435議席が改選された下院では、米東部時間12日午後9時半(日本時間13日午前11時半)時点で共和党が211議席、民主党が204議席を獲得した。共和党は過半数に迫っているが、残りの議席の多くで接戦が続いている。