道は10日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、道内の感染状況を分析した。直近1週間の全道の新規感染者数は人口10万人当たり910・9人(10日時点)と全国最多の状況が継続していることを踏まえ、3段階で設定している確保病床のフェーズを「2」(1855床)から最高レベルの「3」(2312床)へ14日から全道域で引き上げることを決定した。
政府は「第8波」に備え、感染状況に関するレベル分類を見直す方針を示している。鈴木直道知事は同日、加藤勝信厚生労働相と連絡を取り「北海道の厳しい感染状況や危機感を共有した」ことを明かし、国と緊密に連携を取って道内での運用も視野に動向を注視する考えを示した。
日別の新規感染者数は8日に9136人と初めて9000人を超え、9日は9545人と2日連続で過去最多を更新。10日も8457人と高水準で推移し、感染再拡大に歯止めがかからない状況が続いている。
10日現在の病床使用率も全道で42%、札幌市では46・1%まで上昇。知事は「この夏のピークと同じ水準になった。入院患者数は今週に入り、地域によっては急激に増加している」と危機感を訴え、医療逼迫(ひっぱく)に備えて確保病床のフェーズを最高レベルに引き上げる。
現在の感染再拡大については「この夏と同じBA.5系統で、基本的な感染防止行動が有効」と強調。社会経済活動を維持していくために、道民に「感染リスクが高まる場面でのマスク着用、工夫した換気など対策の強化をお願いしたい」と呼び掛けた。さらに感染した場合に備え「解熱剤や食料品、用意できる場合には検査キットもあらかじめ準備を」と述べた。
また、オミクロン株対応ワクチンは11~12月に接種のピークを迎える。知事は「重症化予防に効果がある。希望する人にできるだけ早く接種していただけるよう、市町村とも連携し集中的な広報を展開してほしい」と本部員に指示した。
季節性インフルエンザとの同時流行に備え、道では外来医療体制の強化を図る「外来医療体制整備計画」を策定中。知事は「医療現場の課題を伺いながら、計画が効果的な内容となるよう最終的な調整を進めたい」との姿勢を示した。