白老に笑い 

  • 特集, 記者コラム「風」
  • 2022年11月9日

  即興話芸のコメディアン村本大輔さんが、あす白老にやって来る。函館市の知人を介して知り合い、互いの仕事の価値観などを語り合ううちに仲良くなった。夏に訪ねて来てくれたとき、地場産のきのこ鍋やビールを気に入り、秋にも訪ねたいと言ってくれ、実現したというわけだ。

   彼は、東日本大震災の被災地や基地問題で揺れる沖縄など各地を訪ね歩き、地域の人に取材した上で社会が抱える矛盾、私たちが見えていない問題を笑いで浮き彫りにする。

   社会的弱者を強いられている人たちやマイノリティーをネタにするのは「パンチダウン」、権力者やマジョリティーを風刺するのは「パンチアップ」と彼は言った。彼の笑いの源泉は「パンチアップ」にある。

   現場に通い、小さな声に耳を澄ますことを忘れず、政治家の発言と行動の矛盾や、政策目標と現状の隔たりに「おかしみ」を見いだし、今まで無関心だったことに気付きをくれる彼の笑いには、学ぶべき点が多い。(半)

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