ウトナイ湖は、通年見られるオジロワシに加え、オオワシが渡ってくる時期になり、ワシの仲間が見やすい時期を迎えようとしています。
翼を広げた幅はオジロワシが約200センチ、オオワシが約220センチあり、翼を広げて青空をゆっくりと旋回する光景は絵になります。両種とも環境省に絶滅危惧2類に指定されていますが、ウトナイ湖では比較的に見やすい野鳥です。オジロワシは通年見られ、定期的に行っている湖の鳥のカウント調査でもほとんどの期間で確認することができます。また、オオワシは例年11月から4月までの期間に見られますが、世界に約4600羽しかいない希少な存在です。
両種とも人に対しての警戒心が強く、大抵は湖の対岸の木の上に止まっています。また、体が大きいことで飛行時の体力の消耗が大きいため、一度止まると数時間同じ場所にいることもあります。そのため、初めて望遠鏡を使う方にも見ていただきやすく、皆さんに喜んでいただけます。レンジャーとしてウトナイ湖周辺に希少な自然環境が残されていることをお話するときに非常にありがたい存在です。
また、ウトナイ湖ではオジロワシがハンティングする姿も時折見られます。魚を捕まえるために両足を伸ばして湖に突っ込む姿や、カモの群れにアタックする様子は大迫力の光景です。一方で、調査をしている時に、少し困ってしまうことも。カウント調査中のカモの群れにアタックされてしまい、カモが飛んでしまうのです。そうなると数え直しです。オジロワシは全く悪くはないのですが、カモが数千羽いる時には「ちょっと待って~」と独り言を言ってしまいます。
このようなワシの仲間の迫力ある光景は肉眼でも見られますが、双眼鏡があるとより楽しむことができます。ネイチャーセンターでは、観察場所はもちろん、どんな双眼鏡が良いかなどのご相談にもお答えしています。土日祝日の開館時にお気軽にお越しください。
(日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・瀧本宏昭レンジャー)