再び大きなサイレンが響き、緊張が走った。北朝鮮が3日朝、弾道ミサイルを立て続けに発射。全国瞬時警報システム(Jアラート)が1カ月ぶりに発令された。当初は日本上空を通過するとの情報もあり、関係自治体の職員は情報収集に追われ、住民は「またか」と不安そうな表情を浮かべた。
宮城県では朝から職員が続々と県庁に駆け付けた。ミサイルが追加発射されたというニュースが流れると、「え、3回目?」と職員がテレビの前に駆け寄る場面も。ある男性職員は「Jアラートが鳴って驚いた。海上への被害が心配だ」と不安そうに話した。別の男性職員は「北朝鮮の行動はエスカレートしている。異常だ」と語気を強めた。
街頭テレビでニュースを注視していた仙台市青葉区の男性会社員(48)は「またかと思った。世界情勢を見ると、もしもの有事もあるのではないか」と険しい表情で話した。
新潟県では情報連絡室会議が開かれ、漁船や東京電力柏崎刈羽原発に被害がないことが報告された。笠鳥公一危機管理監は「被害は確認されていないが、引き続き緊張感を持って対応していかないといけない」と気を引き締めた。 山形県でも防災危機管理課の職員らが慌ただしく出入りし、食い入るようにテレビ画面を見詰めていた。男性職員は「今年に入って10回以上は対応している」とため息をついた。
山形県漁業協同組合加茂支所(鶴岡市)の男性職員によると、出航していた漁船はなく、被害はなかったという。ミサイル発射が続いていることに「困った話だ」とうんざりした様子だった。
東京・市谷の防衛省でも幹部が緊急参集し、情報確認に追われた。ミサイルは日本上空を通過しなかったが、ある制服組幹部は「Jアラートは迅速に危険を知らせる警告。発射があったのなら機能したと言えるのではないか」と話した。