一本防波堤シーズン終了 締めは大アブとカジカ

  • 釣り
  • 2022年11月3日
52センチの大型アブラコを釣り上げた藤田さん
52センチの大型アブラコを釣り上げた藤田さん
杉渕さんは型物のトウベツカジカを連発
杉渕さんは型物のトウベツカジカを連発

  苫小牧港・東港中央水路の一本防波堤が今季の有料開放を終えた。この週末は、初年度の最後を飾るように婚姻色の鮮やかな大型アブラコ(アイナメ)やトウベツカジカ(ケムシカジカ)、ソイ、クロガシラカレイのいずれも型物が上がり、釣り人の笑い声がはじけた。

   取材した10月29日は、日が高くなるにつれて南西風が強まり、防波堤上はきつい横風となる悪条件下での釣り。飛距離やポイントに投げ込む精度が落ち、魚信が取りにくくなるため、投げ釣り、ルアーともに悪戦苦闘を余儀なくされた。

   その状況で50センチオーバーの”超大物”を釣り上げたのが札幌市の会社員、藤田卓矢さん(40)。午前7時半ごろ、イソメを付けたてんびん仕掛けを50メートル弱投げ込んだ3メートルのさおが三脚の上で大きく揺れた。

   明確な魚信だったものの、さおの動きはすぐにストップ。「針掛かりしなかったか?」と、ひと呼吸待った直後に再び激しく振れた。やにわにさおをつかんでリールを巻いたものの、「大物を想定していなかった」ためにさおは軟調子でリールはコンパクト型。たももない。強烈な”三段引き”に耐えて寄せた後は、イチかバチかクレーン式での取り込みを決断した。

   魚の重みでさおと糸は悲鳴を上げ、リールは容易に巻けない。「折れるな、切れるな、暴れるな」と思いながら、海面から5メートルほども高い防波堤に無事、魚を釣り上げ、笑顔を爆発させた。

   鮮やかな婚姻色をまとったアブラコは52センチの大物。カレイ狙いの釣行だった藤田さんだが、午後には40センチ超のカジカを追加。図らずも大物釣りを満喫した。

   防波堤の先端付近ではトウベツカジカの型物も上がった。苫小牧のウトナイ中学校3年、杉渕惺琉さん(15)はベイトタックルで47、41センチをキャッチした。システムはフリーリグ。オレンジ色のホッグ系のワームを使って防波堤際の底を丹念に探り、強風の悪条件下で結果を出していた。

   一本防波堤は11月から冬季の閉鎖期間に入る。来年春のカレイシーズンから再び有料開放の見通し。

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