苫小牧市は22日、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した改良型ワクチンの集団接種会場をグランドホテルニュー王子(表町)に開設した。国が21日から、新ワクチンの接種間隔を5カ月以上から3カ月に短縮し、希望者の集中が予想される中での対応強化。初日は定員500人に対し、約300人が接種を済ませた。
新ワクチンの対象は初回(1、2回目)接種を終えた12歳以上。市は8日に49医療機関で個別接種を始めたが、インフルエンザとの同時流行への備えや、接種間隔短縮への対応を踏まえ、市医師会(沖一郎会長)と連携し、集団接種の準備を進めてきた。
初日は市民約300人が訪れ、市や同ホテルの事務スタッフ、医師会の医療従事者らが手際よく対応。澄川町の主婦近喰瞳さん(69)は「4回目を打とうか迷っていたが、新ワクチンになったので打つことにした。これで安心して旅行もできる」と喜んでいた。
集団接種会場はファイザー製を使用し、12月17日まで週2~4日の計19日間、接種枠8300人を確保している。定員は平日が350人、土・日祝日が500人だが、14日に60歳未満への接種券発送が始まったばかりで、予約状況はまだ空きが目立っている。
市が現在使っている新ワクチンは「BA.1」対応型で、11月から「BA.5」対応型に切り替わる予定。市健康支援課は「どちらもオミクロン株成分を含み、従来型を上回る効果があるとされる。接種券が手元にあって希望する方は、その時点で可能なワクチンを接種して」と呼び掛ける。
11月に新たな対象となる市民は、従来通りであれば6月に前回接種を終えた9000人弱だが、国の接種間隔短縮で7、8月に接種を終えた人も前倒しされ、新規対象は計5万人弱と集中する。市は31日から接種券の発送を始め、「先延ばしせず、早めの予約、接種を」と求めている。