国民的人気を集めたザ・ドリフターズのメンバーで、タレントの仲本工事(なかもと・こうじ、本名興喜=こうき)さんが19日午後10時22分、急性硬膜下血腫のため死去した。81歳だった。仲本さんは18日、横浜市内で乗用車にはねられて重傷を負い、病院で治療を受けていた。所属事務所は、葬儀などの対応は後日報告するとしている。
東京都生まれ。学習院大在学中から音楽活動を始め、卒業後の1965年、コミックバンドだったザ・ドリフターズにギター、ボーカル担当として加入した。
グループの活動はコント中心に移り、69年から85年までテレビで放送された「8時だョ!全員集合」は子どもたちを中心に大ブームに。最高視聴率は50%を超えた。黒縁眼鏡がトレードマークの仲本さんは、学生時代に体操部で培った技を生かし、体操コーナーなどで活躍した。
77年から98年に放送のバラエティー「ドリフ大爆笑」もヒット。故いかりや長介さんとの「兄弟」コント、高木ブーさんらとの「雷様」コントなどでお茶の間の人気を博した。
ドラマや舞台で俳優としても活躍し、11月には東京で上演される舞台への出演を控えていた。ドリフメンバーの高木さん、加藤茶さんとバンドを結成するなどして音楽活動も続けていた。
ドリフのメンバーでは2020年3月、志村けんさんが新型コロナウイルスに感染し、70歳で亡くなっている。