警戒

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2022年10月15日

 山には、季節ごとの匂いがある。好きなのは、秋の里山の匂い。もう少し季節が進み、何度も霜に当たった木々の実が熟した頃に、森全体を覆う甘い匂いが懐かしい。

 コクワやマタタビ、ヤマブドウの木やつるのある場所を半世紀以上たっても思い出すことができる。戦後十数年、まだ甘い食べ物の少ない頃だ。硬いコクワは米びつに入れて熟すのを待った。省略するとおしりがかゆくなってひどい目に遭う。独特の香りのマタタビも大好きだった。ネコの好物とは知らず全部食べてしまった。すまない。

 ヒグマもきっと同じなのだろう。春に確かめたヤマブドウの芽吹き、夏に見た葉の多さや大きさ、そんな記憶を匂いでたどって秋の山を歩き回り、時には人里近くまでやってきて冬眠前の餌の量を確かめるようだ。

 先日の新聞に小さな囲み記事があった。見出しは「ドングリ不作―」。道の調査によると今年は道南や道東、道北でクマの餌のドングリが不作とか。道央地区に平年並みの所がある程度という。コクワは胆振地区などでは豊作だが、全道的には平年並みの実り。クマにとってはちょっと残念な情報に違いない。冬眠前の腹ごしらえの道順を、再検討するのかもしれない。

 今年は物価高で、生活防衛に追われる人間のキノコ採りに力が入りそう。餌の不作と不足に悩むクマと、山で鉢合わせをする可能性が高まる季節。関係機関が注意を呼び掛けている。まずは甘い香りに警戒を。(水)

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