サケ遅場 弁天海岸 餌取り少なく快適

  • 釣り
  • 2022年10月13日
ぶっ込み釣りで上がった雄ザケ
ぶっ込み釣りで上がった雄ザケ
サケ釣りが開幕した遅場の弁天海岸
サケ釣りが開幕した遅場の弁天海岸

  胆振太平洋一帯のサケ釣りは後半戦。この時期、9月末で河口規制が解除されてサケシーズンに突入するのが安平川河口左岸の苫小牧弁天海岸だ。魚影は薄いものの、餌取りも少ないのがこのポイント。取材した10月上旬は日中でも数匹上がり、釣り人はのんびりと楽しんでいた。

   釣り場は左岸が中心。河口から苫小牧港・東港に向かって延々と砂浜が続いており、河口から離れても実績がある。当日は午後の時間帯でぶっ込みとルアーで7組が釣座を構えていた。

   札幌市の後藤央さん(70)は毎年、雪が降るまで弁天海岸で何度かサケを狙う。「ここは、浜のすぐ後ろに車を止めて車の中から魚信を取れる。寒い時期でも苦にならないのがいい」。お気に入りの釣り場の一つで、大漁はなくてもたまに1、2匹釣れるから十分楽しめるとか。この日も昼に雄を1匹釣り上げ、午後2時すぎに早じまいした。

   興味深いのは餌取りが少ない点。苫小牧から噴火湾にかけて激戦区はどこもぶっ込み、浮きルアー、例外なくフグなど餌取りの猛攻に遭う。キャストのたびに跡形もなく餌は消え、放置するとビニール製のタコベイトも食われる。餌交換に疲れ果ててさおを畳む釣り人は多い。「サバがいるが、(仕掛けを回収すると)大体餌は付いている」と後藤さん。餌交換に追われず釣りを楽しんでいた。

   安平川ではサケのふ化放流事業は行われていない。来遊するサケは、支流などでの自然産卵の回帰か迷いザケとみられる。錦多峰川などふ化事業で放流されたサケと回帰時期がずれるため、年を越えても狙う人がいるほど典型的なサケ遅場。弁天海岸はこれから本番だ。

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