ディノスシネマズ苫小牧で29日まで公開中の映画「激怒」。その舞台あいさつで出演俳優2人が6日に来苫した。取材を通して、映画館の大切さを改めて痛感した。
苫小牧市出身の奥野瑛太さんは「昔は苫小牧にも映画館が幾つもあったけれど、少なくなってしまった」と残念がった。札幌市出身で今作の主演を務めた川瀬陽太さんも、子どもの頃からたくさんの映画に触れ、制作への憧れを募らせた劇場が次々に消えていく現状を憂い、「まちから一度無くなってしまえば、もう元に戻らない」と口にした言葉が胸に刺さった。
映画館の運営はコロナ禍の影響もあって厳しい状況にある。だが、取材で児童に学校の長期休みの思い出を聞くと、「映画を見に行ったこと」と答える子は少なくない。迫力あるスクリーンや音響で鑑賞する作品は、テレビで見るのと全く味わいが違う。苫小牧にはミニシアター「シネマトーラス」もある。まちの映画文化を応援していきたいと思う。(高)