2018年9月6日の胆振東部地震から4年を前に、山腹崩壊で19人の犠牲者を出した厚真町吉野地区に3日、献花台が設けられた。多くの町民が訪れ、花を手向けて祈りをささげた。6日まで設置される。
同町本町の奈良都さん(44)は「当初は(被災した光景を)見ることができなくて来られなかったが、昨年から来るようにしている」と語った。小中学校の同級生で、土砂崩れで亡くなった滝本卓也さん(当時39)を悼み、「優しい人だった。小さな町なので、よく会うと声を掛けてもらった」としのんだ。
3日は町総合福祉センターにも献花台が設置された。同町富里地区の農業、伊部義之さん(54)は、親戚で農家仲間だった佐藤正芳さん(当時65)を亡くした。献花台に手を合わせ、震災前から取り組んでいた米の味改良の成果を報告した。田畑の被害や壊れた調整機械の更新で経費がかさみ、「4年は長かった」と振り返りながらも復旧作業はおおむね完了。負債も完済し、「あれだけの被害があって精神的にもつらかったけれど、ここまで来たぞという思い。苦境にあえいでいる人の励ましになれば」と話した。
胆振東部地震で厚真町は震度7の揺れを観測。関連死を含め37人が命を落とした。