<4> 地域おこし協力隊 新戦力 外部の発想で地域活性化

  • 特集, 胆振東部地震から4年
  • 2022年9月3日
「あつまいちごの『小林っていいよね』ってなるのがベスト」と話す小林さん

 【都市からの風】

 人口減少問題などを抱える自治体は、都市から来て、地域協力活動をしながら地域への定住を考えてもらう地域おこし協力隊などの取り組みに力を入れている。

 胆振東部地震で人口減に拍車が掛かった厚真、安平、むかわの3町も例外でなく、中でも厚真町は、町内で起業を希望する人を募り、バックアップしていく事業を展開するなど積極的。それだけに注目され、これまでさまざまなジャンルの人が都市から移住し、地域に新風を吹かせている。

 【新規の農家に】

 厚真町の自然に囲まれた幌里地区にあるイチゴ農家。

 そこで今春、新規就農を果たしたのは小林広和さん(38)。札幌市出身で、20歳で上京。15年にわたり、東京都内で美容師として活躍していた。農家としては異色の経歴だが、就農への思いは漠然と抱き続けていた。さまざまなきっかけと自身の今後を見詰め直すうち、農業に踏み切る決意が固まったという。

 敷地内ではハウス8棟を管理し、春は「けんたろう」、夏から秋にかかるこの時期は「すずあかね」の収穫に励む。休みはほぼないが、表情は仕事への充実と今後の希望に満ちている。自宅では無農薬のイチゴ栽培について、独自に研究を重ねているところだ。

 【転機と家族との時間】

 厚真町の存在は、胆振東部地震後に東京で開催された農業フェアで知った。若手農業者が多いことに親近感を覚えたことと、インターネット交流サイト(SNS)で地域おこし協力隊の募集を知ったことが重なり、町内で起業したい人を募る町の事業「ローカルベンチャースクール」に応募した。審査を通過し、2019年に復興を目指す厚真町へ。地域おこし協力隊の農業支援員として新生活を始めた。

 その後、3年間の研修期間のうちに土地の取得やハウスの整備を行い、家族でよくイチゴ狩りを楽しんだことから、イチゴ農家として就農を果たした。「農家になって仕事は忙しいが、家族といる時間が増えた」と頬を緩める。美容師だった頃は家族と顔を合わせる時間をつくれなかったが、今は毎日、一緒に食卓を囲めるようになった。

 また、移住当初は苫小牧市や札幌市によく出掛けたが、今はほとんど町外に出なくなった。その分、私生活で町民と交流し、つながりが生まれたことで厚真にすっかりなじんだ。

 【活性化に期待】

 高齢化による農業者の減少は今なお続く課題で、震災直後は離農者も少なくなかった。それだけに、意欲のある若手の新規参入は大歓迎されている。とまこまい広域農業協同組合(本所厚真町)の松原正明理事参事は「若い人が入ると地域が活性化されるし、産地の品目を確保する上でも貴重な存在。外部からの発想は厚真を魅力あるものにしてくれる」と期待を寄せる。

 小林さんには、将来的には町産イチゴをブランドにして価値を高め、観光農園やイチゴを使ったスイーツなどの提供もできれば―との構想もあり、厚真の地で夢を膨らませている。

 (随時掲載します)

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