水鳥たちで湖面にぎわう 秋は渡りのシーズン

  • レンジャー通信, 特集
  • 2022年9月2日
10月の湖で羽を休めるヒシクイ、マガン、オオハクチョウ

  ウトナイ湖はもうすぐ水鳥たちの秋の渡りシーズンを迎えます。おおよそ9月から12月までの期間、水鳥たちで湖の水面がにぎわい、多い時には数千羽の群れを一度に観察できます。このようににぎわう理由は、水鳥たちが冬越しのために北から南へ移動する途中で、ウトナイ湖を利用するからです。

   湖を利用する水鳥は、ガン、カモ、ハクチョウ、カイツブリの仲間など、これまで42種類が記録されています。その中でも毎年数多く観察されるのはガンの仲間です。ガンの仲間の中で先駆けて来るのはヒシクイで、昨年の秋は9月7日に初めて確認されました。

   その後、水鳥の中で最も数多く飛来するマガンが観察できるようになります。年によって異なりますが、10~11月の間に千羽以上が水面を泳いでいる姿を見られます。このように多くの水鳥が利用するウトナイ湖はラムサール条約(正式名称・特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されて守られています。

   水鳥たちは体が大きく、動きがゆっくりで、一度に多くの数を観察することができますので、初めてのバードウオッチングの対象としてお薦めめです。また、潜水、逆立ち、追いかけっこ、求愛ダンス―など、いろいろな行動をするので、種名が分からなくても観察を楽しむことができます。例えば、何秒逆立ちしているのかを数えてみるのも面白いかもしれません。

   ネイチャーセンターや野生鳥獣保護センターには、日本野鳥の会のレンジャーがいますので、気になったことがありましたらお気軽にご質問ください。また、ネイチャーセンターでは双眼鏡の貸し出しもしていますので、ご利用ください。

  (日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・瀧本宏昭レンジャー)

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