高校野球、夏の甲子園は仙台育英(宮城)の初優勝で幕を閉じた。福島県南にあった「白河の関」をようやく深紅の優勝旗が越えた。
育英の須江監督は「目標になるチームがあったから」と言う。昨年秋の明治神宮大会、今年3月のセンバツ甲子園を制した大阪桐蔭だ。
地方大会を含め出場全3547チームが打倒を掲げたであろう優勝本命に知人が居た。遊撃手の鈴木塁。兄陸斗さんが駒大苫小牧高野球部に在籍していた縁で知り合った。
岐阜県内の彼の実家で、夏の甲子園を一緒にテレビ観戦したことがある。「すげー」と高校球児のプレーに感嘆していた当時中学2年生の彼は、あっという間に逆の立場になった。
惜しくも準々決勝敗退となったが、みんなの目標になったことだけでも日本一に匹敵する名誉。「敢闘賞」として大好きな苫小牧産アスパラガスを送った。いつか再会した日には、たくさん思い出話を聞かせてほしい。(北)