Q…朝、近所の堤防を散歩していると、毛むくじゃらのハチが大きな羽音を立てて飛び回っていました。何というハチでしょうか?ハチは暑くないのですか?
A…ハチはマルハナバチの仲間です。マルハナバチは蜜や花粉を求めて花を訪れるミツバチの仲間で、苫小牧周辺にはエゾオオマルハナバチなど9種類が生息しています。
体を覆っている体毛は防寒のためです。この体毛のおかげで他の昆虫が活動できない気温の低い早春から活動することができます。ただし気温の高い日や時間帯に活動するのは苦手です。
ものすごい速度で羽を動かしているので体温が上がって暑いでしょうね。人間に例えると、暑い中毛皮を着て全力で走り続けているようなものです!
トンボのように移動能力の高いものは、暑い時期には涼しい山地などへ移動しますが、ほとんどの昆虫は体温の調節方法が限られていて、日陰で体を休めるか吸水と排水を繰り返して暑さに耐えるかしかありません。
冷涼な北海道に好んで生息する昆虫にとって、気温の高い日が続くことは死活問題です。
数年前から暑い日が続くようになり、冷涼な環境を好むハネナガキリギリスが少なくなるなど、見掛ける昆虫の種類や様子も変わってきました。
気候変動は人間ばかりではなく昆虫にも影響を与えます。彼らの変化を見ることで微妙な気候や環境の変化を知ることができます。
(文とイラスト 自然誌研究家〈ゆうふつ原野自然情報センター主宰〉村井雅之)
=随時掲載