北海道ではハモとも呼ばれる夏魚の女王・アナゴが苫小牧港で釣れだした。ウナギに似た”長もの”だが、味わいは淡泊で上品な甘みのある白身。蒲焼きはもちろん、天ぷらでも煮ても美味とあって人気の釣魚だ。夏本番となるこの時期ははしりのタイミング。まだ数は望めないものの、人気ポイントの西港入船公園では21日、50センチ強のアナゴが夜釣りで上がっていた。
入船公園は西港フェリーターミナルの西隣。北埠頭(ふとう)方面と勇払埠頭方面の二つの航路に面し、水深14メートルの最深部までの距離が数十メートル。港口からの潮がぶつかる潮通しの良さもあり、大物釣りの可能性を秘めた好ポイントだ。
風の穏やかなこの日、7組の釣り人が同公園で釣座を構えていた。アナゴを上げたのは地元の釣り人で、満潮の潮止まりの午後8時半に魚信があったという。「餌を付け替えて20分ほどたった頃に、70メートルほど投げた方のさお先が”ふわふわ”と揺れた。今季の初物」とうれしそう。
餌は塩イソメ。「アナゴは口が小さい。3、4センチに切って使うと針掛かりの確度が上がる」と話した。仕掛けは自作の胴突き2本針仕様。発光体を幹糸に付け、針素はサルカン付きのピンに結んだ。アナゴは餌をくわえると体を回転させて暴れる。ひと工夫でひどい糸絡みを防止できる。
夏枯れのこの時期。暑気払いを兼ねて夜釣りをのんびりと楽しみたい。アナゴの釣期は11月まで続く。