東胆振地域の新型コロナウイルス感染症対策を強化する一環で、王子総合病院(苫小牧市若草町)が重点医療機関に、苫小牧東病院(同市明野新町)が受け入れ協力医療機関にそれぞれ加わった。2022年度診療報酬改定を踏まえ、両院が施設要件を満たす体制を整え、それぞれ道の指定を受けた。東胆振のコロナ病床は34床に、疑似症患者病床は12床に拡大した。
王子総合病院は東胆振で3カ所目の重点医療機関。6月から陽性患者専用の病棟を設定し、コロナ病床4床で運用を始めた。東胆振では同院と苫小牧市立病院が2大医療拠点。市立はコロナ対策に集中する一方、両院で輪番制を敷く24時間体制の2次救急を王子が手厚く受けるなど、すみ分けてきた経緯はあるが、国の施策や地域医療の現状を踏まえて判断。同院は「コロナ患者急増の中、一般・救急診療とコロナ対応を両立させ、地域医療に貢献していく」と強調する。
苫小牧東病院は、疑似症患者用の病床を確保する受け入れ協力医療機関になった。疑似症患者と一般患者の動線を独立させて個室2床を設けるなど、院内のゾーニングを徹底。5月から疑似症患者を受け入れており、同院は「コロナ感染症と向き合える体制になった」と説明する。秋には陰圧装置も導入する予定で「コロナ感染が再拡大しており、やるべきことをやっていく」と力を込める。
全国的に新型コロナウイルス感染症の「第7波」が拡大する中、東胆振のコロナ病床は従来の30床から4床増、疑似症病床は10床から2床増になった。東胆振で当初からコロナ患者を受け入れている市立病院は「コロナ3年目で時代の流れ。地域で感染症病床が増えることで、各医療機関にとって負担やリスクの分担につながる」と期待している。