白老町のアイヌ文化復興・発信拠点の民族共生象徴空間(ウポポイ)は23日、夏休み期間特別プログラム「夏はウポポイでたのしもう!」をスタートさせた。8月21日までの期間、各地のアイヌ文化の伝承者を招いた技術の実演や古式舞踊の披露を行うほか、伝統儀礼の特別公演、児童向けゲームなどを通常プログラムと合わせて実施していく。
体験交流ホールでは、白老町、むかわ町、千歳市などの文化伝承保存会のメンバーらがそれぞれ日を替えながら交代で古式舞踊を披露。30日午後4時半からと8月14日午前11時半からは、特別公演「イノミ アイヌの祈り・歌・踊り」を行う。カムイ(神)に感謝の祈りをささげ、酒や歌、踊りでもてなし、土産とともにカムイの世界へ送り出す儀礼イヨマンテと、その精神を軸としたストーリー性のある演出で伝統を未来につなぐプログラム。各回定員303人。
工房では午前9時~午後6時、道内各地の工芸家らが手掛けたマタンプシ(鉢巻き)16種を展示。制作過程や素材も紹介している。工房前テントでは30日と8月6日の各午後4時半から、100食限定でオハウ(温かい汁物)を提供する。
あそびの家では午後2時から、職員によるアイヌ語学習「ピリカ!ビンゴ アキ ロ」を実施。夏休み特別バージョンのビンゴを楽しむことができ、参加者に景品も進呈している。草木の見本園近くでは午後4時50分から約10分間、職員が野草の利用方法やアイヌ語名などを伝える「野草紹介」を行っている。
チキサニ広場では31日と8月7、10~14日の各日正午から約30分、小学生対象にアイヌ文化などをテーマとした「トゥレッポんと〇×ゲーム」を実施する。
このほか、工芸家による伝承技術、アイヌ語教室講師による口承文芸の実演や、施設内で刺しゅうや木彫を体験した人へのペーパークラフトキット配布も行っている。
ウポポイの広報担当者は「ペーパークラフトキットは夏休みの自由研究にお薦め。各地の伝承者による実演や体験を通してアイヌ文化に理解を深めて」と呼び掛けている。