「昨年の衆院選で一敗地にまみれた。多くの人から一日も早く国政に復帰して、道民の思いを国政に届けてほしいと、背中を押してもらった」
22日の公示日。札幌市中央区の大通公園での第一声で、出馬の動機を語った。
昨年10月の衆院選道1区で立憲民主党候補に敗れ、比例復活もかなわず、議席を失った。自民党道連の公募に応募し、くら替えでの出馬が決まった。
衆院議員時代、麻生派に所属し、領袖(りょうしゅう)の麻生太郎党副総裁の薫陶を受け財務政務官も務めた。参院では初陣となる今回選挙戦の争点について「これまでの感染症対策重視からポストコロナを見据えた政策に」。そして「物価高騰対策、経済安全保障など低迷する経済の立て直しが争点になる」と語る。
力を注ぐ政策は「道民の暮らしを守ること」と強調。さらにロシアのウクライナへの軍事侵攻も踏まえ、「防衛力の強化も訴えていきたい」ときっぱり。
今の政治に欠けている点については「国内外の情勢は常に変化し、不測の事態が起きることがたびたびある。大臣がずっと国会に縛られているという国会運営の在り方は、世界的にもかなりまれな状況だと思っている」と疑問視する。
道選挙区は別の自民党候補の長谷川岳氏の知名度が突出し、党として「2議席確保」のハードルは高い。このため、党は船橋氏のみを「重点候補」に位置付け、公示前から党幹部、大物議員らが続々と本道入りし、てこ入れを強化している。
「有力と言われる4人のうち、私は4番手と思う。私だけ全道選挙も経験していない」と冷静に分析。18日間の選挙戦でスパートをかけて、逆転を狙う。「負けたら終わり」との姿勢も強調し、「政治生命を懸けた戦い」が続く。
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12人が立候補した参院選道選挙区(改選数3)の舌戦が22日から始まった。全国有数の激戦区で、各陣営がしのぎを削っている。主要4党から出馬した6人の候補に、争点や訴えたいことを聞いた。
(届け出順、6回連載)