昨年、噴火湾の長万部沖で80センチオーバーのヒラメを釣って本紙釣り倶楽部で紹介した、苫小牧市川沿町の高田登美男さん(68)が、今季の初ヒラメ釣行で71センチの大物を上げた。一昨年は90センチ超、その前の年はやはり70センチ台を物にしており、4年連続のビッグフィッシング。大物釣りのこつの問いには「狙うと釣れないのがヒラメ。結果として釣れただけ」とけむに巻くものの、仕掛けを自作して針や針素の長さにこだわっており、仕掛けと合わせのタイミングが肝だ。
釣行は13日。なじみの遊漁船で長万部沖のポイントを目指した。狙いはヒラメ一択のため、釣りはバケ仕掛け。潮の流れ具合から400グラムのバケを選択し、午前5時半から釣り始めた。餌は、望ましいのはオオナゴだが、今季は入手が難しいためチカを用意。船中では40~50センチ級のヒラメがポツポツと上がった。
高田さんに大物がヒットしたのは午前9時半。船のヒラメ釣りは、前当たりがあってから本当たりまでが辛抱の時間だが、今回の大物は間合いが長かったという。ほぼ1分ほど待って本当たりを捉え無事、釣り上げた。重量は4キロを超えており、水中での抵抗は相当。手応え十分の大物が水面に姿を見せると、船中から歓声が上がった。
大物が付いたのはバケ側の針。仕掛けは3本仕様で、上下がシングルで真ん中にトレブルフックを結んだ。仕掛けのバランスは重要で、さおを動かした時の水中での餌の動きが悪くならないように気を遣う。「ヒラメは餌の泳ぎが速い方が釣れる。動きが遅いと食いが悪い」と高田さん。この日、40~71センチのヒラメ7匹を上げて船中のさお頭だった。
「ヒラメ四十」とは古くから言われるヒラメ釣りの極意。ヒラメは餌を一口ではのみ込まないためだ。前当たりと本当たりの間を「四十」数えて見極めることで、合わせるタイミングの大切さを示す。その難易度の高さが、食材としてのおいしさと併せてヒラメ釣りの魅力でもある。
高田さんは今月下旬に再び長万部沖に遠征する予定。「今度も無欲で臨みます」と話しつつ、まだ見ぬ大物にしっかり備える。