5月下旬、恐竜研究者として知られる北大総合博物館の小林快次教授の特別講演会がむかわ町で行われた。穂別地区で発見されたハドロサウルス科の「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)のエピソードや、上川管内中川町で見つかった恐竜化石など話題は盛りだくさん。改めて恐竜が持つ魅力に引き込まれた。
その中で「一見ただの石だが、磨きを掛けることで地域の宝にもになる」という言葉が印象に残っている。
人によってはむかわ竜も最初、ただの石に見えたかもしれない。だが、発掘家のふとした発見をきっかけに多くの人の関心を集め、今や世界に誇る恐竜化石として認知されるようになった。講演を聴いた高校生が「ロマンを感じますね」と語ったのもうなずける。
現在、穂別地区を舞台に小学生を対象に、未来の古生物学者たちを育てる「子ども化石くらぶ」の活動が行われている。ここから新たな物語がつくり出される日が、今から待ち遠しい。 (石)