【ワシントン時事】米航空宇宙局(NASA)は9日、「未確認飛行物体(UFO)」などを科学的に検証する専門チームを立ち上げ、今秋から研究を開始すると発表した。9カ月間の調査を経て、結果を公表する。UFOを含む未確認航空現象(UAP)の科学的な理解を深めるため、必要なデータの収集や分析手法について研究する。
専門チームを率いる天体物理学者のデイビッド・スパーゲル氏は「可能な限りのデータを収集することが目的だ」と説明。「一般市民、政府、非営利団体、企業にどのようなデータが存在し、他に何を収集し、最善の形でどう分析するかを明らかにする」と語った。
NASAは、UAPに関する研究が限られ、こうした現象について「科学的結論」を出すことが難しい状況にあると指摘。どのような事象が自然発生的なものかを解明することは「航空の安全を守るNASAの目標とも合致する」と強調した。
一方、NASAは「UAPが地球外生命体を起源とする証拠はない」と明言。UAPをめぐっては、米下院情報小委員会が5月に約半世紀ぶりに公開の公聴会を開催し、国防当局高官が「起源の特定に尽力している」と語るなど、正体の解明に関心が集まっている。