元苫小牧工業高校野球部監督 金子 満夫さん(83) 母校を甲子園に4度導いた名将 野球・アイスホッケー 二刀流でプレー 「勝ちたい一心」指導に情熱注ぐ

  • ひと百人物語, 特集
  • 2022年5月21日
苫工野球部を長く率いてきた金子さん
苫工野球部を長く率いてきた金子さん
苫工野球部の監督時に地区大会を制し、胴上げされる=1985年
苫工野球部の監督時に地区大会を制し、胴上げされる=1985年
アイスホッケーのゴールキーパーとして全国大会3連覇に貢献した高校時代の金子さん(左)=1956年ごろ
アイスホッケーのゴールキーパーとして全国大会3連覇に貢献した高校時代の金子さん(左)=1956年ごろ
苫工時代の教え子ら200人以上が集まった「金子夫婦を励ます会」で花束を受け取る=1999年
苫工時代の教え子ら200人以上が集まった「金子夫婦を励ます会」で花束を受け取る=1999年

 苫小牧工業高校野球部を夏1回、春3回甲子園に導いた名将。同校の卒業生として教壇に立ちながら33季にわたって野球指導に情熱を注いだ。

 初任地の虻田商業高(現虻田高)を経て1965年に苫工高の教員となった。生徒時代の恩師から野球部監督のバトンを託され、「きれい事は言わない。とにかく勝ちたい一心」で選手たちと向き合う日々を送った。

 「相当厳しい練習だったと思う。特にピッチャーにはうるさかった」と自戒を込めて振り返る。だが、歴代の教え子たちは、卒業後も自分や妻文江さん(78)を慕って食事に誘ってくれる。まさに指導者冥利(みょうり)だ。

 指導者としての功績のみならず、スポーツ選手としての実績も華々しい。幼少期から恵まれた体格の持ち主で、地域の相撲大会に出場しては優勝をかっさらった。かつて苫小牧では当たり前だった野球、アイスホッケーの夏冬2大スポーツも掛け持ちした。苫工高に入学後は主に3~11月に野球部、12~2月はアイスホッケー部と二つの部で活動。”二刀流”の仲間には、アイスホッケーで3大会連続の冬季五輪出場を果たした高嶋守さんもいた。

 「年中休まず体を鍛えることができた。それが今の丈夫な体につながってるのかな」と笑みをこぼす。

 野球では、苫小牧勢初の甲子園出場となった56年の選抜高校野球大会に主将兼捕手で出場した。初戦の2回戦で強豪芦屋(兵庫県)に3―5で惜敗したが、4番で2安打と健闘した。アイスホッケーはゴールキーパーとして全国高校総体3連覇(55~57年)の立役者になった。

 卒業後は王子製紙で二刀流を継続するつもりだったが、プロ野球チームから声が掛かり「一世一代の親孝行」とプロ入りして1季を過ごした。

 幸か不幸か、それが教員を志すきっかけになった。退団後、立教大学へ進学し、次はアイスホッケー選手として活躍を夢見たが、当時のプロ・アマ規定に抵触すると判断されて道を閉ざされた。「人生で一番落ち込んだ」という出来事を乗り越え、「母校に帰って野球を教えよう」と心機一転、勉学に励んで晴れて教員になった。

 苫工高で定年を迎え、99年からは札幌日大高の野球部を指導。2002年の選抜大会出場に導いた。06年には苫小牧市内でラーメン店「かねこ屋」を開業。市民のおなかを満たすなど、アクティブな人生を送ってきた。

 現在は愛妻と共に穏やかな日々を過ごしているが、「機会があれば、また野球の指導に関わってみたい」と情熱は冷めていない。

 (北畠授)

 金子 満夫(かねこ・みつお) 1938(昭和13)年7月、苫小牧市生まれ。苫小牧工業高時代は野球とアイスホッケーの両競技に励み、いずれも全国クラスの実力を誇った。高校卒業後、プロ野球毎日オリオンズ(現千葉ロッテ)に1季所属。65年に苫工高の教員となり、野球部監督に就任。春夏合わせて4回の甲子園出場を果たした。苫小牧市末広町在住。

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