北方領土・国後島の海岸で今月、女性の遺体が発見されていたことが13日、関係者への取材で分かった。知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故の不明者の可能性もあるとみて、政府は外交ルートを通じてロシア側に情報提供を求めている。
関係者によると、遺体が見つかったのは6日。国後島の西岸に漂着したような形で発見された。
同島で失踪者の届け出がないことなどから、ロシア側は10日、日本側に連絡。国籍は不明で、身元の特定につながる物品は見つかっていないという。
遺体は現在、同島・古釜布の病院の遺体安置所にあり、政府は外交ルートを通じて遺体の特徴などを尋ねている。行方不明者と特徴が一致すれば引き渡しを求めていくという。
事故は先月23日に発生。これまでに14人の死亡が確認されたが、4人は知床半島から国後島側の海域で発見された。海上保安庁などは残る12人の不明者の捜索を続けている。