【マニラ時事】フィリピンで9日、大統領選が投開票され、フェルディナンド・マルコス元上院議員(64)の当選が確実になった。マルコス氏は、独裁政治を20年以上続けた故マルコス元大統領の長男。弾圧や汚職といった負のイメージで語られたマルコス一家の復権が決定的になる。
開票率80・39%の非公式集計によると、マルコス氏が2591万票余を獲得。1236万票余のレニ・ロブレド副大統領(57)ら他候補を大きく引き離し、票差を広げ続けている。
マルコス氏は9日午後10時(日本時間10日午前0時)ごろ、「開票は終わっていないが、支えてくれた全ての人にお礼を言いたい。すべきことがたくさんあるので、今後も支えてほしい」と発言した。
マルコス氏は選挙戦で候補者討論会を相次いで欠席しており、政策面で不透明な部分が多いものの、ドゥテルテ現大統領の路線を踏襲するとみられる。南シナ海で実効支配を進める中国に対しては、融和姿勢を続ける考えを示している。
大統領の任期は6年で、再選は認められていない。大統領と副大統領はペアでなく別々に選ばれる。大統領選と同時に行われた副大統領選では、ドゥテルテ氏の長女で、マルコス氏とタッグを組むサラ氏が大きくリードしている。