新型コロナウイルスワクチン4回目接種の政府方針を踏まえ、苫小牧市は6月下旬のスタートを目指して準備に着手した。市医師会(沖一郎会長)と調整し、対象者が最短で接種可能になるスケジュールで、医療機関による個別接種のみの展開を想定。5月下旬にも接種券の発送を始める見通しで、市健康支援課は「国の方針に沿って速やかに実施できるよう準備を進めたい」としている。
厚生労働省のワクチン分科会が4月27日、対象者を従来の全員接種から(1)60歳以上(2)基礎疾患がある18歳以上―などと限定した上、接種間隔を3回目接種後少なくとも5カ月経過―との案を示したことを受けた対応。同28日にオンラインで自治体向けの説明会が開かれ、市も具体的な準備を加速させている。
市によると4月末現在、3回目接種を終えた市民のうち、(1)は約5万2400人、(2)は約5000人と推計。3回目接種では医療機関での個別接種、ホテルでの集団接種を展開したが、4月下旬に接種のピークを越えたとして、集団接種を終了したばかり。4回目は対象者を限定するため、個別接種のみで対応できると考えている。
接種券は3回目接種と同様、対象者が接種時期を迎える前月に送る予定だが、人数が限られるため一括送付も検討している。60歳を迎えた市民にも自動的に届くが、かかりつけ医に重症化リスクが高いと判断されるなど18歳以上で新たに基礎疾患が加わった市民は自分で申請する必要があるという。
市内では、一般市民向け3回目接種は1月下旬に始まったため、4回目スタートは最短でも6月下旬。3回目接種を実施する医療機関(現在51施設)が、そのまま4回目も担うことを想定しており、医師会との協議で正式に決める。市民が接種間隔を誤らずに予約できるよう、4回目開始前に予約システムの改修も考えている。