(4)社会問題に目を向けて 山内(やまうち) 幸子(さちこ)さ  ん(73)

  • 10代の「大人」へ, 特集
  • 2022年5月6日

  4月の定期総会で成人年齢の18歳への引き下げを取り上げ、会員に対し若者の生活トラブルを防ぐ活動に一層力を入れていく必要性を訴えた。高校生でも悪質な勧誘を受け、だまされるリスクが高まると数年前からたびたび情報発信し、若い人たちに十分気を配るよう呼び掛けてきた。

   協会は消費者トラブルを防ぐため、被害事例を伝える出前寸劇を実施している。これまでは高齢者を狙った特殊詐欺や悪質商法をテーマに老人クラブ、町内会などで行うことが多かったが高校からの依頼を受け、新作の構想を練っている。

   (主にインターネット上で取引される)情報商材に関わるトラブルを取り上げるつもり。実際、情報商材に関連した相談は市内の10代からも寄せられている。寸劇で私たちが高校生役を演じるのは厳しいと思うので、生徒や先生に協力してもらえないかと期待している。

   寸劇で若い世代にどこまでメッセージが伝わるのか正直、分からない。ネットの世界について私たちが十分理解しているとは言い難く、発信の仕方がアナログなことにも課題を感じている。

   命と暮らしを守ることが活動の柱で消費者教育のほか、食や環境の問題に取り組んできた。(地産地消へ)厚真産の米などの購入を後押したり、市にゲノム編集食品の苗を受け入れないよう要望したりもしている。

   私が消費者協会に入ったのは50代後半。公害などが社会問題化していた30代の頃に一度誘われているが、当時は漠然と「年配の人たちがやる活動」と思っていた。社会のさまざまな問題に若いうちから目を向けるべき。体をつくる「食」について、原産地や遺伝子組み換えなどに気を配ることに年齢は関係ない。いろんな人と交流し、たくさんのことを学んでほしい。協会も役立つ情報発信の充実に努めるので、ぜひ活用してもらいたい。

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